みなさんは「体罰」についてどのように思われていますか?
「昔の親が体罰をすることは普通だったよ」
「今の子どもは叩かないと言う事を聞かないものだ」
「体罰は絶対にいけない!」
「体罰は時には必要だ」
「たたいても愛情があればいい」・・・・などと色々な意見があると思います。
つい先日、森田ゆりさんの「子どもの生きる力と遊ぶには」の研修に参加し、体罰について学びました。
その中での学びをまとめました。
森田ゆりさんは、
子ども・女性への虐待防止専門職の養成に携わり、多様性、人権問題、虐待、DVなどをテーマに研修・講演活動をされています。
MY TREEペアレンツ・プログラム(子どもを虐待してしまう親の回復のためのプログラム)等の活動が有名です。
体罰の6つの問題
①大人の感情の吐け口になっている。
②痛みと恐怖感でコントロールしようとする。
③エスカレートする。
④即効性があるので、他の方法を考えなくなる。
⑤他の子どもに心理的ダメージを与える(私は助けられなかったという罪悪感)
⑥取り返しのつかない事故につながる。
日本人の75%は「体罰は時には必要」と考えている。
この価値観を変えないと「虐待」はなくならなりません!
体罰を受けた子どもはどうなるのだろう?
暴力に怯えて育つと「安心感」「自信」がなくなります。
そして、嫌と言えずに他人の言う通りにしてしまう。
「なりゆきまかせ」の子どもになってしまう。
そそのかされて、誘われて、ついつい犯罪をやってしまう。
それは、思いをないがしろにされてきた体験が原点にある。
あなたができる大切な2つのこと
「体罰は決してしない、させない」と周囲に伝えること。
子どもへ体罰をするのが当たり前のように語る人
自分は体罰を受けてきたが立派に育ったぞ自慢する人がいます。
そのような人に負けず、周囲の雰囲気に負けず、保育士は自分の思いをしっかり語りましょう。
討論するのではありません。自分の意見を伝えるのです。
心の応急手当て「聴く」
体罰を受けた子どもに対しては、じっくり思いを聴くことを大切にしましょう。
聴く側の意見やアドバイスはなしです。
ただひたすらに聴きましょう。
訓練なしには、とても難しいことです。
しかし、子どもの話しを聴いている保育士ならできます。
気持ちを聴く、気持ちを言う練習をしよう
「聴く」全身で聴く
気の利いたことを言おうとしなくていい。
同じ言葉を繰り返すことでわかってもらえていると感じられる。
「なぜ?」は責めているように捉えられるのでダメ。
もうちょっと聴きたい時は、「それって、例えば?」などを使う。
「気持ちを言う練習をする」
受け止めてくれる人がいないから、日本人は気持ちを言うのが下手である。
子どもも大人も練習しないと出来ません。
私も苦手ですが、練習しています。
まとめ
私も体罰を受けた子どもを保育園で見て来た。
その子どもは、素直に言葉で表現出来ずに、泣く、暴れる、拗ねるなどの表現が多かった。
「私は叩いて言う事を聞かせています」と言う保護者がいます。
その保護者は子育てに困っています。体罰しか解決方法しか見つけられていません。
保護者自身にそのリスクを伝えないといけない。
平成から令和の時代に変わり、
「体罰は決してしない、させない」ということを常識にしましょう。